水彩画の描き方「滝」映像で解説

滝の水彩画完成図 描き方
白い絵具は一切使っていません。出来るだけ紙の白さをいかした描き方をお勧めします。
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今回の滝、これは結構検索ワードで多いキーワードなのです。でも、このサイトには滝を描いた絵葉書の画像はアップされていても滝を描いた動画はまだないことに気づき新たに描いてみました。(解説動画は記事中盤にあります)

見本にしたのは先日旅行した青森県の「暗門の滝」(第三の滝)。

暗門の滝(第3)

非常に単調な写真ですみません。

この写真をもとに2タイプ描いてみました。

  • マスキングなし
  • マスキングあり

では形をとった後の状態から説明。形のとり方のコツは他の記事を参考にしてください。こちらとか→水彩画の描き方 人物全身(腰から上ぐらい)

まずマスキングなしのタイプ

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1.滝本体の上部から描いていく

技術の説明でも書いている通りやはり明るい所から描いていくのが楽な方法だと思います。

そして滝を見て一番明るい部分ていうと大体流れ落ちる滝の一番上のあたりなのです。水が泡を含み光を乱反射させている滝の本体。それの落ち始めの部分(上部)が一番光源の方向(空)を向いているからです。

さらにその空気を含んだ白い水の密度も下部に行くほど分散されて裏の岩場が透けて見えるので、その分下部は暗いという事になります。

(1)最初は大きな面の変化から始める

いきなり細かい水飛沫を描こうとしてもダメです。まずは滝の部分ぶぶんがどちらを向いているかを考え、その方向を描きしめすつもりで上部から色をのせていきます。

滝の描き方説明図1

捉え方ガイド線付。実際は線は入れない方がいいです。いれても薄く。(クリックすると大きくなります)

(2)徐々に細かい変化を上から下へ描く

縦の変化だけではなく横の変化も意識して、さらに下部の密度が薄い部分の色の変化なども描いていく。

滝の描き方説明図2

徐々に下の方も描いていく=徐々に暗い色で描く。

2.岩場を上の方から描く

滝が終わったら次は岩です。全体をみれば滝よりも暗いですが、部分(岩だけ)をみると岩場もやはり上を向いた面が明るくなっているので、上部から描いていきます。

(1)滝と同じく最初は大きな面の変化を描く

滝と同じ事なのですが、岩の場合はこれがより難しい。まず表面が斑であり単色ではないので、オウトツなのか表面の物の色が違うのか判断しにくい。さらにオウトツ自体も一貫性がない(様に見える)、またオウトツが非常に細かいので、ついつい間違った面の変化を追ってしまったり、細かい所をみ過ぎてしまったりします。

これが管理人もまだまだ上手く描けない理由かと思います。例えるなら洋服・布の襞を描く難しさと似ているでしょうか。

滝の描き方説明図3

上から下へ、明るい色から暗い色へ。

(2)徐々に細かいオウトツを上から下へ向かって描いていく

出来るだけ大きくとらえて、最初は細々とした変化はゴミだと思って拾わない。

滝の描き方説明図4

全体をいくつかに分けたら、またその部分をわけていく。その繰り返し。

それでもついつい細かい部分を見てしまい、全体の立体感を損なう事があります。そういう時は初めの大きな分け方に戻ってそこから描きなおすと確実です。

滝の描き方説明図5

細かい所を描きすぎたと思ったら、一度部分を離れ全体を見直してみるとリセットしやすいです。

3.滝壺を描く(本来は2?)

うっかり飛ばしていましたが、明るさでいえば岩場より滝壺の水面の方が明るいです。なので、本来は滝→滝壺→岩場という進め方がよいかと思います。(しかし、奥から描く方がいいという考えもあるので別に岩場→滝壺でもよい)

滝の描き方説明図6

水面に関しては上を向いているので、あまり暗い色はのせない方がよいです。

後はじっくり全体を眺めて、「見せたいものがしっかり目立っているか」「手前にあるものが強く描けているか」などなどチェックして必要なら微調整。絵に対しての要求が何も出てこなくなり、「良い絵」と自分で思えたら完成としていいと思います。

滝の水彩画完成図

白い絵具は一切使っていません。出来るだけ紙の白さをいかした描き方をお勧めします。

↓制作動画

次は、マスキングありのタイプ

1.滝部分をマスク液でマスキング

このタイプは滝の白を強調するためにマスキングします。

マスキングを使った滝の描き方説明図1

滝の白さを際立たせるためにマスキング

2.岩場を上の方から描く

マスキングが終わったら岩を描いていきます。描き方はマスキングなしタイプと同じです。マスキング後は描く順番が違うだけと考えればOKです。

(1)最初は大きな面の変化を描く

滝の描き方説明図マスキングあり2

白く浮いている部分がマスキングしたところ

(2)徐々に細かいオウトツを上から下へ向かって描いていく

滝の描き方説明図マスキングあり3

マスキングしておくとはみ出しを気にしなくていいので思い切って描ける

滝の描き方説明図マスキングあり4

徐々に細部へ、徐々に暗い所へ

3.滝壺を描く

滝の描き方説明図マスキングあり5

滝壺の水面の色は澄んだ気持ちのいい色にしていますが、実際通り渋くしても面白いと思います。

4.マスキングを除去

滝の描き方説明図マスキングあり6

マスク液を全部除去して紙の白が戻った所

5.滝を描く

白いまま残してしまっても良いのですが、やっぱり幾らかは描かなければバランスが悪いです。

でも折角マスキングしたのですから、あまり黒くしてしまっても勿体ない。少し白とびしたような写真をイメージして適宜滝のオウトツを描いていきます。右手の細い水の筋も同様です。

滝の描き方説明図マスキングあり7

マスキングした良さが残る様に程々描く

↓完成図

滝の水彩画マスキング使用、完成図

左上がお留守になっていますが・・。一応完成です。

完成としてますが、もっと滝の左側の岩場なんかは水飛沫で白くなっているはずなので、もっと思いっきり水で洗って色を薄めても良いと思います。

どちらが良いか

正直好みの問題です。

個人的にはマスキングない方が好きです。でもマスキングありの方が短時間で描いてるため、単純には比較できないと思います。マスキングありのタイプも管理人みたいに雑ではなく、もっと丁寧に細い筆で水の筋にマスキングを入れてあげれば、とても繊細な滝の絵に仕上がると思います。

以上、いつも通りかなり好き勝手に書いてますが、少しでもスケッチや制作の参考になれば幸いです。有難うございましたm(__)m

追記 2015/08/26:

マスキングバージョンの仕上がりが中途半端だったので、描きなおしました。

変更点はマスクを除去する前に、画面を水で洗い滝周辺の細かい水飛沫を表現したというぐらいでしょうか。

あと、どうせマスキングしたならほぼ真っ白のまま残した方がいいのではと思い滝は殆ど描いていません。

描きなおした滝の水彩画

滝周辺を暈したことで少し神秘的な感じになったでしょうか・・。

さらに結構重要な事かもしれませんが、紙を変えました。世界堂のおまけでもらった「アルシュ紙 細目 300g」を使ったので、発色もいいしマスキングしても紙が傷まないしで非常に気持ちよく制作できました。やはり「絵具より支持体」を拘るべきだなと改めて思いました。

↓制作過程

プリント販売もしております。ご興味あればご覧ください。
ヤフオク出品ブース

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