今回も水彩画の絵葉書の描き方です。
これはお盆に帰省した際に会った、友達へのお礼に描いたものです。愛犬のジャーマンシェパード「テス」をモデルにしています。
またもや、写真をみながらの制作なんですが・・ もとにした写真はこちらです。↓
1.下絵
上の写真をみながら形をとっていきます。形のとり方は技術の説明ページを参考にしてください。
(1)外側
下図の様に、部分と部分を繋ぐ線を仮定して、その線の角度を写真と下絵で見比べて形をとっていきます。
特に犬などの動物の場合、毛の柄や口元の複雑さに目を囚われがちですが、この時点では細かい所を描く必要はないので、大きな塊でとらえて描き進めます。
(2)内側
そして、外側(輪郭線)がある程度決まったら、内側を描いていきます。
この時も常に自分が何を描いているかを意識すべきだと思います。
ア 色
毛の色の違いを描いているのか。
イ 面
それとも毛の表面のオウトツ(面の変化)を描いているのか。
そういう意識をもって描くことで、本制作に向けての設計図が仕上がるわけです。
(3)下絵完成
全体的にある程度描けば、下絵なので細かい描写はいらないと思います。
特に今回は絵葉書という事で手軽に描くことも重要です。
ここまでの動画は↓
2.着彩
下絵が仕上がったら色をつけていきます。
今回はより手軽にマスキングをしないで進めていこうと思います。
(1)色分け
先ほどの下絵の時と同じで、色を塗るのか、面を描くのか
この二つを意識して描いていきます。
まずは大体の色を塗り分けます。
下図の様に、舌は赤。毛は黄土と茶、部分的に茶と青を混ぜた暗い色を使って塗り分けました。
この時はオウトツ(陰影)のことは考えていません。ただ、色で分けただけです。
(2)オウトツ(陰影)を描く
色分けが終わったら、大きなオウトツから描いていきます。これが陰影に繋がっていきます。
大きなオウトツとは所謂「明中暗」の事です。明るい所と、中間の所と、暗い所です。
陰ではなくオウトツで捉えるなら
ア 上を向いている所
イ (地面に対して)垂直な所
ウ 下を向いている所の三つです。
今回は外でとった写真なので、上を向いている所は明るく、面が下を向くにつれて暗くなっていくので、それを描き分けていきます。
大きなオウトツを描き分けたら、今度はそのオウトツの中にある細かなオウトツを描き分けていきます。
耳の表面のオウトツや胸元の毛の表面も決して一様ではないはずです。
そういうより細かい変化を描き表わしていきます。
あとはもう好きな所まで細かく捉えて描けばいいだけなんですが、細部を描いていると、部分的に描きすぎたり、間違ったオウトツを描いてしまったり、バランスが悪くなることが良くあります。
そういう時は水で濡らしてティッシュなどでポンポンたたくことで、描いたものを洗い、もう一度描くと良いです。
(3)仕上げ
どんどん内側を描いていくと、最初に描いていた輪郭線付近の面が相対的に弱く見えてきます。最後はそういう奥の面を強くする意識をもって仕上げると良いと思います。
あとは目を細めてぼんやり眺め、極端に明るすぎる部分や暗い部分がないかチェックして、バランスを整えます。

今回は絵葉書なのでこれぐらいでやめときます。
着彩編の動画は↓
今回も質問などありましたらお気軽にどうぞ(^^
プリント販売もしております。ご興味あればご覧ください。
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