水彩画の描き方 人物編
着彩
すでに下絵を描き終えてる状態からスタート。(下絵の転写やマスキングは下部で説明しています)
- 最初は物の色で塗り分ける。
- そして、ある程度塗り分けたらオウトツを意識して描く。
この時のコツは「3つの大きなブロック分ける」です。「明るい所」「中間の所」「暗い所」これぐらいのざっくりとした分け方で良いと思います。
注意は「明るい所」=「白い色」ではないし「暗い所」=「黒い色」ではないということです。「明暗」と「物の色」とは分けて考えます。
- さらにこの大きなブロックにもそれぞれオウトツを描いていく。
この意識が細部を描くことにつながっていきます。要するに最初に描いたブロックの角を取ったり、細かな面の変化を描いていけばいいのです。この時一番重要なことは明るい所から描いていくということです。透明水彩は塗っちゃうとなかなか後戻りできません。なので明るい所を描くのは結構ビビってしまうのですが、描いた後に「中間の所」や「暗い所」をのせると上手く馴染んでくるので、怖がらず描いていきます。上の写真を見てみると、髪の毛の濃い色を載せることで、茶色がかって見えていた顔の色が白く見えてくるのがわかります。隣り合う色とのバランスが非常に大切だという事です。頬っぺたなどはその角をとる意識で緩やかな面の変化を意識して描き、鼻や額など少し骨ばっている部分は多少角を残したまま仕上げると良いと思います。
- 8〜9割仕上がったら、下絵の状態で施していたマスキング(下部で説明あり)をとります。
消しゴムでこすっても良いですが、ラバークリーナーがあればゴミも出ないのでオススメです。 - マスキングをとって、少し調整したら完成です。
ここで完成!というものは人によって違うと思います。もっともっと細部を描きたい人はそれも良いですし、もっとデフォルメしたい人は工夫して簡略化しても面白いと思います。とにかく難しく考えずに沢山描くことが大切だと思います。
着彩の動画は↓
(00:01~マスキング 00:06~色塗り分け 00:30~肌の陰影 01:42~髪の陰影 02:38~目など細部の描写 04:42~マスキングをとって仕上げ)
エスキース(下絵)
前後しましたが、水彩で着彩する前にはエスキースを描きます。エスキース(仏:esquisse)は下絵という意味ですが、どちらかというと絵画作品の制作前の段階に描くスケッチのことを指すことが多いです。見えるものを単純に写すというよりは、個人的な作品に仕上げるために、自分の好みを反映させながら描く下絵という感じだと思います。沢山線をひいて、自分のイメージする姿を少しずつ描き出すといいです。なので制作用の水彩紙には描かずに、スケッチブックやクロッキー帳などの安くて沢山かけるものに描くと良いです。
転写
さて、エスキースによって描き出したいイメージが固まったら、それを本制作用の水彩紙に転写します。
方法は色々あるのですが、ここではトレーシングペーパーを使った方法を説明します。これはサイズが小さい作品で非常に有効な方法です。
- まず、エスキースをトレーシングペーパーに印刷します。プリンタの複合機などを持っている場合これが一番楽な方法です。これなら拡大縮小も可能なのでサイズの微調整も簡単です。
もし、この方法が使用できない場合はエスキースの上にトレーシングペーパーを重ねて鉛筆などでなぞって写します。 - 次にトレーシングペーパーを裏返して、裏を柔らかい鉛筆やパステルなどで塗りつぶします。この時色付きのパステルなどで塗ると、転写の際下絵の線が良く見えて楽になります。
- 塗り終わったら本制作用の水彩紙に表を上にして重ねて、上からボールペンでなぞっていきます。こうすることで、なぞった部分が下の紙に転写されます。
マスキング
下準備が終わったら、マスキングをします。透明水彩は「白色絵具」を使わず、紙の白を活かしたほうが良い感じに仕上がります。
事前に塗り残したいところはしっかり保護しておきます。
今回は人の顔なので、光が当たってる方向の鼻の角や瞳の反射などです。あまりあちこちマスキングすると、仕上がりがギラギラした感じになってしまうので、描く対象に合わせて調整しましょう。車など硬質なものの場合は沢山マスキングした方がいいと思います。
下準備の動画は↓
2015年2月14日一部編集しました。「着彩―2」にあった「重要な事は明るい所から~」のくだりを「着彩―3」に移しました。まず大きな3つのブロックで捉えたのち、明るい所からオウトツを描いていく。そうとらえた方がわかりやすいと判断しました。
2015年7月16日一部編集。エスキース~マスキングを下部に移動。着彩部に画像を追加しました。
以下の記事も参考にして下さい。
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