どうも、こんにちは。
今日は久しぶりに人物を描いてみます。
以前紹介した人物の描き方の記事では、”顔中心”の絵だったので、今回はもう少し広い範囲をカバーしてみようと思います。
正直言ってしまえば、このサイトは水彩画帳と名前がついていますが、水彩画特有の技法の説明は一切(あ、マスキングはそうかな)ありません。
どちらかというと、”もの”の捉え方=デッサンの技法と言った方が良いような事ばかり書かれています。
それでも、画材(水彩や油絵)に関係なく正しく形を捉える事は出来て損はないので、遠回りしてでも確かな技術がほしいって方は是非一緒に頑張っていきましょう!管理人も色々まだまだです・・
今回のモデルさんは去年の東京モーターショーで管理人がパシャパシャ撮影してきたお姉さんたちです。もちろん、車を撮るついでに撮っただけですよ。決して、お姉さんがメインではないです。
1.形をとる
何はともあれ、白い紙に向かってまず一番にする事はモチーフの形をとることです。今回は写真を参考にしてるので、その写真を見ながら紙に写し取っていきます。
以下形をとる際のポイント
(1)まず空振りでいいので、紙の上で沢山腕・手を動かして形を描く振りをする
この辺に頭が来て~、この辺が胸で腰で・・ と手をしっかり動かしてから、その動きにそえるように鉛筆・シャーペンで線を引く。そんなイメージで行うと生きた線が描けると思います。
最初は無駄な線も沢山あらわれると思いますが、徐々に必要な線を絞っていけばよいのです。
(2)形をとる際は線の角度を重視する
これは人それぞれだと思いますが、管理人はこの方法がしっくりきます。
長さを比べて形をとる方法の方が一般的に知られていると思いますが(測り棒等で腕を伸ばして測るやつです)それよりもモチーフの輪郭線の角度や、人物なら鼻の角度や肩のラインの角度などを正確に測るよう意識した方が楽に形がとれると思います。
長さの対比、たとえば全身に対しての頭の大きさなどは大雑把にとっておいて、足が伸びる角度や股から頭部まで伸ばしたラインの角度など、兎に角あらゆる部分の角度を正確に測ると意識した方がより早く、正確に形をとることが出来ると思います。
詳しくは技術の説明ページも見てください。
2.大きな面で分ける
これは形をとる事と同時進行で進めなければいけないのですが、ある程度形がどれたら輪郭線の内側にある面の変化を線で描いていきます。
線だけである程度立体感が出るように面分けします。
面とは平らな表面の事です。モチーフの表面をよく見て、面が変化している所に線を入れていくのです。
ここでの注意点は一つ。
面を細かくみ過ぎない
本来、面は無数にあるものなので細かくみればきりが無くなります。
それを人間が把握しやすいように、単純化する作業なので、最初は出来るだけ少ない数の線で立体感が出るように描きます。
以下に例を載せています。
3.着彩
いよいよ水彩絵具で描いていきます。
(1)物の色で分ける
最初は肌の色や髪の色・服の色などを描き分けます。
このときは立体の事は意識せずに平面的に色をおけば良いのですが、注意点は
最初に乗せた色がその物の一番明るい色になる
ということです。なのでいきなり強い色をのせるのはオススメしません。また、光が直接反射する部分(瞳や髪の毛の光沢)などは色を被せてしまっては取り返しがつかないので、マスキング液等で保護するのも良いと思います。
(2)オウトツを描いていく
さて、次は最初に分けた大きな面の内側にある面の変化(オウトツ)を描いていきます。
この作業なんだか難しいように感じるかもしれませんが、実は形をとる事よりずっと簡単だと思います。
でも、スイスイと進めていくにはやっぱりいくつかポイントがあります。
ア.明るい部分から描く
これが一番重要かもしれません。モチーフの光が当たって明るい部分。今回の例だと右側のオウトツから描き始めます。
下の画像は暗い所も描いてるのでは?と思うかもしれませんが、これは最初に分けた大きな面を分かりやすく色で分けているだけです。
最初に分けた大きな面より細かい面の変化を描き加えて行くのはまず明るい部分。そして、そのあと徐々に暗い方へ移行する。もし、描き足りなくて明るい所を加筆したらまた暗い部分も描く。この流れが一番効率が良いです。
なぜ、この手順がオススメかは技術の説明ページに書いています。
イ.細かくみ過ぎない
上でも同じことを言いましたが、やっぱりこれも重要。
せっかく最初に大きな面で分けたのに、次いきなり鼻の穴や耳の細かいオウトツを描いてしまったら立体感も無くなってしまいます。
例えば耳なら耳たぶは少し上を向いてますし、耳の上の方は逆に下向き加減になっているかと思います。そういう細かすぎないオウトツ=面の変化から描いていき、徐々により細かい耳のオウトツを意識していけばよいのです。
あとは自分が描きたいところまで描いて、よし!完成と思ったところでやめたらいいのですが、なかなかやめ時がわからないかと思います。
そこで一つ目安。
ウ.一番手前の物、一番描きたい部分をより強く描く
今回の例だとモデルの右手が一番手前だと思いますが、面の向きとしては右頬と同じぐらいでしょうか。
でも、同じような描き込み具合で同じ色だと遠近感がでません。そういう強くしたい部分はより細かい面まで描いてみたり、少し強い色(暗い色や彩度が高い色など)を使ってみたりするとぐっと奥行きが出てくると思います。
そして、この奥行きというのが出てくれるとなんとなく完成度が高くなった気になるのです。画面上に遠近感があるかないかが絵を終える一つの目安になるかと思います。
また、一番描きたい部分は位置的には同じあたりにあってもやはり洋服よりも顔の方がより描きたいものだと思います。そういう部分は少し意識して味付けしてあげると面白い絵になると思います。
今回の描き方動画は以下になります↓
01:49~このあたりからやっと大切な事言っています。下絵の段階から面の向きを線で描いておこうってことです。
02:30~着彩スタートです。最初は”色分け”していくのですが、この最初の色=その部分の一番明るい色(反射部分を除く)を置いていってると捉えます。
03:08~この辺でも大切な事言ってます。まずは明るい方から、細かいオウトツを描いていくのです。最初に分けた大きなブロック・グループの”明るい方から描く”です。
04:14~縦をの変化、横の変化という言葉を使っていますが、縦横別々に捉えた方が整理しやすいと思い、区別しています。横の変化=”右から左への面の変化”、縦の変化=”上から下への面の変化”です。
07:35~ここで1枚目完成ですが、一番いいこと言ってます。最初は大きな面で捉えて、その後は明るい方からより細かい面を描いていくって事です。万事それでOKなはずなのです!
動画はこの後も続くのですが、最初のやつだけ見てもらえればいいです。
さらに言ってしまえば、管理人の絵は見なくていいです(^^; 大した絵ではないので。
でも、言葉は管理人が先生方に教わった言葉そのまま載せています。
立体感っていうのは陰を無理に塗っていかなくても、面の変化さえ描けていれば表現できるっていう事を分かってもらえれば、バッチリです。
あ、今回の絵仕上がりです。一応載せておきます↓
もっと詳しい描き方は以下の記事を参考にしてください。
プリント販売もしております。ご興味あればご覧ください。
コメント