水彩画の用語

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水張り

水彩紙などの紙に水彩絵具などの水を使う画材で描く際、紙に歪みが生じないよう、予めパネルなどに紙を貼っておく手法です。水を含むと膨張し乾くと元の大きさに戻るという紙の性質を利用しています。以下の手順はパネルより小さい紙を平面上に貼る「平張り」の手順です。他にもパネルを包み込むように立体的に張る「パネル張り」があります。

  1. まず、紙と紙より一回り大きいパネルを霧吹きなどでしっかり湿らせます。刷毛で湿らせても良いです。
  2. パネルに紙を貼り、四辺を水張りテープで固定し乾かします。これで制作準備完了です。
  3. 作品が完成したらナイフなどで剥がします。剥がした後に加筆すると、歪んでしまうので完全に制作が終了してから剥がす方がいいです。

参考サイト:「水張り」 武蔵野美術大学 造形ファイルアートとデザインの素材・道具・技法( http://zokeifile.musabi.ac.jp/index.php )2014.8.22参照

マスキング

水彩紙にマスク液やマスキングテープを張ることで、その部分への着色を防ぎます。その事で人の手による筆跡とは違った表現が可能になります。例えば、人物の瞳のハイライトなどを筆で塗り残す場合とマスク液で保護して上から着彩し、最後にマスクを取り除く場合では、仕上がりに大分違いが出ます。どちらが良いという事ではないのですが、事前にマスキングしておいた方がよりシャープな表現になります。

エスキース

水彩画に限らず、一つの絵画作品を作るうえで必要となる設計図のようなものです。自分が求めているものを具体的な形にする準備段階のスケッチ、素描のことです。そのため必然的に制作する作品の完成イメージに近いものになります。画材は鉛筆、コンテ、時には本制作と同じ画材(水彩や油絵)で描くこともあります。実際制作する作品サイズより小さめのサイズで描くことが多いです。

なお、当サイトでエスキースという言葉は、下絵を描く前の、完成イメージを固めるためのスケッチの意味で使っています。

転写

エスキースが設計図とすると、その設計図を本番用の水彩紙やキャンバスに移す作業を転写といいます。以下の様に色々な方法があります。

  1. 制作する作品と縦横の比率が同じエスキースを方眼紙の様に四角形で分割して、同じく四角形で分割した制作用の支持体(紙やキャンバス)にパーツ毎に写し取る方法。
  2. 作品と同サイズのエスキースを描き、トレーシングペーパーで写し取った後、トレーシングペーパーと作品支持体(紙やキャンバス)の間に感圧紙(カーボン紙など)をはさみ、上からボールペンなどでなぞることで写す方法。
  3. エスキースをみながらフリーハンドで写す方法。これも一応転写だと思います。管理人は大きな絵の場合面倒くさいのでこの方法をよくやります・・

因みに当サイトで紹介している方法は、2番の方法に近いです。この方法は小さい絵の場合に特に有効です。A4サイズぐらいのトレーシングペーパーならどこでも手に入りますし、このサイズならプリンタでトレーシングペーパーにエスキースを印刷することもできます。

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