技術の説明

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技術といっても水彩画特有のテクニックではないです。以下は、もっと根本的な、物を見て写す技術のことを説明しています。

何かをじっくり見て写すという事は、絵を描く上で基本だと思います。

実際にモチーフを前にして描く場合でも、写真をみながら描く場合でも、どんな場合でも管理人がいつも意識していることを書きます。

まぁ、管理人が絵を教わった先生方にきつくきつく言われた言葉をまとめただけなんですが・・

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1.形をとること

(1)描く姿勢

これが安定しないと視線がずれてきて、形を取る際の基準もどんどん動いてしまいます。

さらに背筋が丸くなるとスケッチブックやキャンバスと顔の距離が近くなり、必然的に視野が狭くなります。

形をとる際は描く対象が視野の中心に収まるぐらいの距離をとるのが良いのですが、案外忘れがちなのが自分が描いている絵との距離だと思います。

こちらも適切な距離をとることが重要です。

(2)全体をみて外側から描く

例えば人を描く場合いきなり目を描いたりはお勧めしません。別にそれでもいいと思いますが、正しい形をとるにはちょっと苦労すると思います。

立ってる人物の全身を描くなら、まず頭のてっぺんの位置と足先の位置をスケッチブックなどにメモを入れるように印をつけて、さらに真ん中あたりのパーツ(人物なら股の下など)の位置もメモして、後はその中を埋めるように外側の輪郭線を中心に描いていきます。

最初に決めた頭のてっぺんの位置と足先の位置は最後まで動かしてはダメです。なおしたいときは内側を修正します。

要するに最初に決めた2点の間を辻褄が合うように埋めていくのですが、この辻褄は、「線の角度」と「線と線の長さの比率」で合わせることが出来ます。

ア 線の角度

描く対象の輪郭線の角度や部分と部分(頭と太ももなど)を結ぶように引いた仮の線の角度のことで、これを対象から写し取って画面に写すと大体良い感じに形が取れてきます。

その時の注意も、やはり外側から大きく捉えて描くという事です。

まずは外側の輪郭線や頭と足先を結ぶ線(人物の場合)などの角度を測ると良いです。外枠の形さえ取れれば内側の細かい形をとるのは簡単です。途中で辻褄が合わなくなってしまったら、もう一度外に戻って大きく捉えなおすことが重要だと思います。

IMG_9067_r_00

赤い線のような部分と部分を結ぶラインをイメージしてその角度を写し取ります。

イ 線と線の長さの比率

人物なら「足先から股までの長さ」と「股から頭のてっぺんまでの長さ」などを比べて形の正しさを測ります。デッサンでもない限りは、測り棒などは使わなくてよいと思います。感覚でこれぐらいの比率だなっていうぐらいで十分です。

どちらかというと形をとる際は「線の角度」を正確にとらえる方が重要だと個人的に考えているので、長さの比率は描いた後の正しさの確認作業のために使うといいと思います。

例えばこの画像の赤と青の線の様に比率を測ります。

例えばこの画像の赤と青の線の様な比率を、描く対象と絵で比べてみると、形が正しいかどうかを判断できます。

2.色をつけること

(1)塗るではなく描く

「塗る」という言葉はあまり良くないと思っています。制作のどの段階になっても「描く」という意識は常に持っていた方がいいです。

でも「描く」ってどういうこと?となると思いますが・・

ア 「描く」

「面」の向きを描くってことなんだと思います。では「面」ってなんだ?ってことですが・・

イ 「面」

「平らな広がり」です。これの向きが変わる=陰影の変化が起こるってことですから、面を意識していれば、自然と陰影も描けるという事だと思います。

陰影は光源の強さや位置によって変わりますが「面」は変わりませんので、これを意識した方がずっと汎用性が高いと思っています。(もちろん光のことも考える必要があります)

それと、よく記事内で「凹凸(オウトツ)」という言葉を使っているのも、面を意識した言葉です。陰影を描くというよりは凹凸を描くのです。

(2)明るい所から

そして何より大事なことは「明るい所」から描くという事です。要するに光が当たって白っぽくなってる所から描きます。

これを忘れると仕上がりのバランスをとるのがとても難しくなります。(先に強い色を置いてしまうと、その色に惑わされて正しい陰影を描くのが難しくなります)

風景画なんかで後ろの方から描くのもこれが一つの理由だと思っています。普通の描き方をするなら前景より後景の方が色が薄い(弱い)ですから、後ろから描いて、後ろより強くすることを意識して前を描くとバランスが取れます。

これを前(強い部分)から描いてしまうと仕上がりが弱い絵になる可能性が高いです。

真っ白な紙に色を置くと周りとの対比で弱い色でも強く見えるので、無意識に弱い色を置いてしまう事につながります。なので、本来画面の一番強い部分であるべき手前部分に弱い色を設定してしまうことにつながるのです。そしてその色を基準にして描いていってしまうと、仕上がった絵も必然的に弱い絵になってしまうことが多いです。

まず明るい部分を描いた後に、より暗い部分を描く、そしてさらに暗い部分を描く。そうすることで、陰影や色の階調が綺麗に表現されると思います。

結局は・・

どんな過程を経ていようが、正しく形が取れていて格好いい感じに仕上がっていれば文句はないのです。

なので、自分のやりやすい方法を見つけることも重要です。

本に書いてあることや人の説明を聞きすぎるのは良くないです。(このサイトもあまり参考にならないかも・・)

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